九州大学ワンダーフォーゲル部【活動レポート】   

チャリ秋合宿2008―そうだ、長崎いこう。

2008/11/19〜11/22
○パーティ:うえしば、さかい、みやもと
文:さかい

チャリベテランのミスターうえしばんと素人二人の長崎珍道中のはじまりはじまり〜。




11月19日
約100km
九州大学六本松キャンパス=(R202)=唐津=(R202)=伊万里=(R498)=佐世保
11月20日
約130km
佐世保=神崎鼻=佐世保=(R202)=西海橋=(R202)=長崎
11月21日 長崎=(R499)=野母崎=(R499)=長崎
11月22日 長崎=(R251、57)=小浜=(R57・雲仙横断)=島原
島原〜(フェリー)〜熊本港
熊本港=(県51)=熊本駅

地図

11月18日(旅前日)

気合いを入れるため、カレーを食べに行く。中盛、大盛にしても値段は変わらないが、頼んだ以上は全部食べなければならない。 3人はそれぞれ中盛をオーダー。うえっとなりながらも明日のために気合いで完食!


▲これで中盛。

11月19日

朝10時過ぎ。いよいよ出発。国道202号で車の多い福岡市内を抜ける。と、そんなとき、季節はずれの雪が降ってきた!寒い。。。 11月に福岡で初雪を観測するのは20年ぶりだそうで、なんともレアな日に旅立ってしまったものだ。

お昼は前原あたりの一九ラーメン。毎月19日は値引きをしているらしく、ラッキーな日に居合わせた。


▲ご飯ものが値引きしてあった。

相変わらず寒い中、R202を行く。途中、海の先の島に続く道があったので、寄り道。どうやらなにかの祠のようである。


▲ほこら。

やっと来ました県境!そんなとき、ミヤモトくんのチャリがパンク。修理をすることになった。思い返せば、 ここまでの道には結構タイヤを痛めるトラップが多く散りばめられていたように思う。ガラス片など、チャリの走行には大敵である。


▲修理中。

そこからほどなくして唐津に到着。ただし、とりたててここには用がないのでスルー。伊万里を目指す。 途中で寄ったコンビニでは田んぼに虹が刺さっているのが見えた。このさき、何かハッピーなことでも起こるのだろうか?


▲虹のたもとに宝物が埋まっているというが・・・。

あー、もーなんか疲れたー。なんて思ったころには伊万里駅に到着。夕5時半ごろ、もう日が沈みかけていて、うとうとする。 3人はJR伊万里駅でしばらくだらだら。お尻が地にひっついてなかなか離れようとしない中、重い腰を上げて、それをサドルに乗せた。

暗闇の中、今日の目的地佐世保を目指す。もう、なんていうか、意識がぼーっとして無心にペダルを漕ぐ。 とにかく、漕いで漕いで進まなければならない。

夜9時ごろ、ようやく佐世保に到着。ジャ○コでご飯を調達。深夜価格でいろいろ安くなっていた。体力を消費した分たくさん食べなければもたないので、 弁当のほかいろいろ購入。このときジャンボ餃子なる惣菜を買ったが、これはとても餃子の域ではなかった。皮の部分がジャンボすぎた。

ナイトパックの時間になったころ、ネカフェにチェックイン!今後一切使わないだろう会員証を作り、入店。 (今後ネカフェに泊まるたびカードが増えることとなる。)マンガ・ネット見放題。ついでに飲み物飲み放題。 適当にマンガに興じたあと、過剰な暖房の中、就寝。

隣のブースからしたカレーの強烈なにおいで少しイラッとしたのは秘密である。

11月20日


▲佐世保駅(JR最西端)

朝。パンなど食べてから、出発。県道を通って神崎鼻を目指したのだが、この道は海沿いを通っていて、アップダウンが激しく、 道の舗装もそう良くなく、なかなか目的地に着かない。ふい〜きつい。

途中、見ず知らずの旅人3人に対して小学生があいさつしてくれたことにちょっとうれしくなりつつ、やっとの思いで神崎鼻に到着。ところでこの神崎鼻、 九州本土最西端であるのにもかかわらず、メモリアル的な派手さがない。それどころかかなり寂れた感がある。まあ、でも折角来たので記念撮影。


▲神崎鼻のようす。


▲記念撮影。

お昼は神崎鼻近くの「さんぺいや」でいただく。新鮮な海の幸を三平さんが料理してくれる。量も値段もそして味も申し分なく、満足。(大盛可。)


▲品数豊富です。

ここから折り返して、再び佐世保へ。このときちょっと道を変えて国道を走ったのだが、びっくりするほど快適。エネルギーの総和は、 変化する前と後の状態が決まれば、途中の経路には関係なく一定であるという「ヘスの法則」はチャリ旅では決して成立しないのである。 なだらかな道、なめらかな路面ほど使うエネルギー量は少なくて済む。ぜひそういった道を進みたいものだ。

夕方4時半ごろ、佐世保に到着すると、おやつ代わりに「佐世保バーガー」をぺろり。学生なら二百数十円で学生バーガーを注文できたのでそれをたべた。 安いからと言って量は決して少なくないという良心的メニュー。


▲なんといっても安いのが魅力。

佐世保を立つと、次第にあたりはうす暗くなってきた。長い坂道を勢いよく下っていて、前を走っているミヤモトくんが車体を少し右に傾けた瞬間、 僕の目前にオレンジのポールが飛び込んできた。ヤバいと思ったのもつかの間、チャリはゴム製のそれにバランスを崩され、 操縦者は前方にその身を放り投げられた。気づけば尻もちをついていて、しばらく動けなかった。幸いけがはなかったものの、 よく注意して運転しないと痛い目を見るということを身をもって知った。

夜7時ごろ、西海橋に到着。「再会橋」ではなく「西海橋」。そんなにロマンティックなものではない。 実際、暗かったこともあるが、大した感慨のわくスポットでもなかった。


▲長時間露光すると、様になるかな?

その後は例によって無心に走り続け、途中○○食堂というチェーン店で腹ごしらえして、長崎市に到着。予定していたネカフェにチェックイン。 小規模なところで、漫画の数が少なかった。(寝るにはまったく問題ないけどね。)


▲国立大学法人長崎大学。まちなかにあって、うらやましい。

11月21日

朝、吉野家で朝食。長崎では有名な「女神大橋」を渡るため、橋のたもとまで緩やかに上っていく。 やっとこさ登ったところで僕らの目に入ってきたのはチャリ進入禁止の道路標識。「なにっ?地図には通れるって書いてあったぞ!」と思うも、 地図はバイク用に書いてあるものなので反論の余地なし。しぶしぶ来た道を戻る。往復12kmが無駄になってしまった。市内から再出発して数キロ。 女神大橋の下まで来ると、全員水切りで遊んだ。


▲チャリ進入禁止。オーマイガー!


▲これが渡れなかった女神大橋だ!


▲水切り。

ひとしきり遊んだあと、道なりに野母崎方面。はじめはゆったりとした道だったが、野母崎が近づくにつれて道のアップダウンが激しくなってきた。 すると、右手のほうに何やら大きな船のようなシルエットが見えてきた。軍艦島である。そんな海沿いにたたずむ店で昼食。ここでも魚料理。 がっつり食べて、英気を養った後、しばらく走行していると僕ら3人を軽自動車が追いかけてきた。 車から降りてきたのはさっきの店に客で来ていたおばちゃんで、旅の資金にと千円ずつくださった。 おばちゃんは僕らを見て自分の息子のように思ったようである。それにしても旅というのは不思議だ。意外なところで優しくしてもらえる。


▲軍艦島。


▲今日はてんぷらにしよう。

野母崎の先っちょがどこなのかはっきりしなかったが、山をゼエゼエ言いつつ登る。たぶんここが野母崎なのだろう。


▲頂上。看板には権現山と書いてある。


▲お疲れの様子。


▲記念撮影!

天気も曇ってきたところで、来た道を引き返す。一度通った道は早い。順調に長崎市内に近づいていくと、僕のチャリがパンク。 ガラス片が刺さったようだ。チャリ初心者の僕はほぼ他の二人に修理させてしまった。すまない。

長崎市内ではチャリ屋によって、物資を調達。その後、ちゃんぽんの発祥の店、「四海楼」にてちゃんぽんを食べる。 終業間近で人がほとんどいなかったのだが、場違いな感がすごかったこと。いかにも高級な感じの店に入っていく旅人3人。 薄汚い格好の3人に手厚い接客をしてくれるウェイトレス。今思い出しても…。


▲ちゃんぽん、うまい。

食後、ナイトパックの時間までしばらくあったので、大浦天主堂に行く。ライトアップしてあったので、天主堂の大撮影会。 と、そこに猫がたくさん徘徊していたので、しばらく猫とたわむれ。


▲大浦天主堂とエキストラのみなさん。


▲猫と戯れるミヤモトくん。

夜10時ごろ、昨日と同じネカフェにチェックイン。

11月22日

朝、飯屋を探すが意外とない。結局何食べたんだっけ?それから国道251号を東進。途中有料道路は通行料10円。 ここらの道では一か所長―い上り坂があった。それ以外はなだらか、だったような。 登り切ったところには割と平らな畑が広がっていて、壮観だった。


▲10円、きちんと払いました。


▲畑。じゃがいもをつくってるみたい。

そこから進んでいくと、工場を併設したカステラ屋があり、そこで一服。いろいろな種類のカステラが置いてあり、全種類試食した。 お店の人がお茶まで入れてくれて至れり尽くせり。結構おいしかったので梅味のカステラを買ったが、 僕よりも試食をしていた二人は何も買わなかった。その神経の図太さには敬意を表したい。

さっき登った分を思い切り下って進むと、オバマ大統領で一躍有名になった小浜に着いた。温泉の町で、町のいたるところから湯けむりがのぼっている。
昼食はリンガーハット。


▲小浜到着〜!

さあ、ここからが大変で、雲仙を越えなければならない。案の定厳しい坂道でかなり大変だった。 ギアを最大限軽いものにして少しずつ山頂に近付いていく。気が遠かったが、 てっぺんまで行けば雲仙の温泉に入れると思えば踏んばることができた。登りきったところで早速温泉へ。 タイムリーに学生の集団と混浴?することになってしまい、風呂では窮屈な思いをしたものの、やはり4日ぶりともなれば気持ちのいいもの。 存分に疲れをとった。もちろん風呂上りの一杯は欠かせない。


▲風呂屋。

風呂屋をでると、あたりは真っ暗。ここからは島原まで一気に下る。一切漕がずに気持ちよく進めるのは苦労して登ったぶんのご褒美そのもの。 途中、後からきた自動車が中央分離帯のポールにぶつかったのはひやりとしたが、僕らはそんなの関係なく先を急いだ。

島原港でチャリを分解、輪行バッグに詰めると、フェリーに乗り込んだ。フェリーから後ろを振り返ると島原が次第に小さくなっていくのが見えた。 長崎チャリの旅もこれにて終了である。


▲ばいばい、島原。そして長崎!


▲ハイクラスな気分で。

追記。

熊本港から熊本駅までが、地味に長かった。チャリで1時間以上かかった。 そういえば、ミヤモトくんは輪行するときにサドルのあたりがなぜか固定できなくなって、この間立ちこぎで頑張っていた。 その後、サドルは治ったのだろうか?