九州大学ワンダーフォーゲル部【今週の一枚】   

銀世界の脊振へ その2 匿名希望

実施日:2009年1月15日(木)
コース:多々良瀬バス停→「しあわせの里」→旧千石荘コース→金山(かなやま)→小爪峠→椎原(しいば)→脇山小学校バス停
参加者:筆者,M

15日(木)は,長く続いた冬型の気圧配置がゆるみ,好天が予想された。近場で「雪山」を楽しむには絶好の機会である。
ちょうど良いことに,センター試験の準備で授業がないので,雪の積もった脊振に行くことを決意し,参加者を募集した。果たして今回は参加者は集まるのだろうか。
数名から返信があったが,結局行けるのはM氏だけだった―。

当日。
雪は,登山口ではちらほらある程度だったが,登って行くにつれ,増えてゆく。積雪は15cmほどになった。深いところでは30cmを超える。
天気は期待したとおりの晴れ。空が異常に青く見える。
先に歩いた人はいないが,動物の足跡はたくさんある。登山道を歩いているやつもいれば,横切っているやつもいる。何の足跡だろうか。

時折,後ろから雪玉が飛んで来る。M氏の仕業だ。無視していると,犯行はエスカレートしていく。雪玉も当たると結構痛い。
雪玉が耳もとをかする。危ない。仕返すことのできない弱気な筆者は,M氏を厳重注意する。
気温は氷点下だろうが,風は弱い。登っている時は,寒くない。
12時25分,金山山頂到着。標高967m。人の足跡はあるが,誰もいない。真っ青な空に真っ白な雪。

ここからは佐賀側の展望がよい。有明海が太陽に反射してきらきらと輝いて見える。
1時間ほど休憩した後,出発。ここから小爪峠までの縦走が今日のハイライトだ。
青空の下,落葉したブナ林の中を進んで行く。まだ誰も歩いていない真っ白な雪面を一歩一歩踏みしめる。もう最高である。

テンションのあがった我々は,「遠吠え」のように叫んでみる。「ホォォーー」。声は山々にこだまして返って来る。まるで山々を支配しているかのような気分だ。遠吠えする動物たちの気持ちが少し理解できた気がした。
緩やかな下りは,一気に駆け下りる。これまた気持ちいい。こけそうでこけない。危ないようで意外と危なくない(?)。
「みんな来れば良かったのに。なんでほかの人は来んかったと?」
我々は幾度となくこの会話を繰り返した。強制参加にすればいいという意見まであがった。
小爪峠に到着。M氏は雪面に大の字に倒れ込んで人の型をつけるのが好きみたいである。筆者はそんなことはしない。

小爪峠からの下りは,少し道が分かりにくいが,たいしたことはない。だんだん雪が減っていくのが残念である。

いつしか雪はなくなり,集落に出た。しばらく歩き,バス停に到着。
充実した山行だった。