九州大学ワンダーフォーゲル部【活動レポート】   

2012年 春合宿 大崩山

○期間:2013年 3/4~6
○パーティー:野瀬 河野 岡村 寺島
○文:寺島

○行程 4日 登山口〜大崩山荘
    5日 大崩山荘〜瀬戸口谷〜大崩山頂〜わく塚〜大崩山荘
    6日 大崩山荘〜登山口
○レポート

4日 登山口(17:30)〜大崩山荘(18:30)

 初日はルミエールにて買い出し後、野瀬さんの車にて福岡から大崩山登山口まで移動する。4時間にわたって運転し続けた野瀬さんにエールを。登山口到着後、準備を整え17:30に入山する。地図によると大崩山荘までは40分しかかからないようなので、若干なめてかかる。しかし、登山道は想像以上に荒廃しており、途中で道に迷ってしまう。士気を下げつつ1時間かけ18:30に大崩山荘に到着する。平日だったので山荘には他のパーティーは居ない。初日の行程を終えてしまい、やることも無いので、その辺から集めてきた枝を薪にして山荘の設備で焚火をする。就寝まで無言で火を囲む。就寝直前に、登山道の荒れ具合を鑑みて合宿の予定を大幅に変更、5日はサブ行動にてもちだ谷経由で山頂へ、山頂からわく塚経由で山荘まで降りることにし、6日は山荘周辺でのんびりすることにする。


5日 大崩山荘(7:00)〜大崩山頂(12:00)〜大崩山荘(15:30)

 夜明け前に荒れた登山道を進むのは危険なので、余裕をもち7:00に出発する。大崩山の絶景を楽しみつつ吐野の渡渉点まで順調に進む。祝子川の水量はかなり少なかったので、靴を濡らすことなく渡渉する。沢沿いを進みながらもちだ谷への入口を探すも見つけられない。仕方ないので沢を進み続けると、尾根へと向かう谷沿いの道への分岐を見つける。その道をもちだ谷だと思い進む。ある程度進むと藪が茂りはじめる。違和感を覚えるも、藪漕ぎしながら進む。瀬戸口谷という看板を見つけ地図で現在地を確認する。沢を上り過ぎてもちだ谷のさらに奥の谷を通る点線コースに入っていることに気付く。どうしようもないので藪漕ぎしながら進み続けると、目印のテープさえ消える。対策を話し合った結果、尾根をトラバースして隣のもちだ谷に入ることにする。尾根を横切り続けて無事にもちだ谷に入る。谷をしばらく登り尾根沿いの道に出る。尾根沿いの道を進み続けると山頂の手前で展望の良い場所に出る。そこから少し進み12:00に山頂に着く。山頂は思ったほど展望が良くない。記念撮影後、展望の良い場所まで戻り昼食をとる。昼食後、しばらくダラダラして13:00に出発し、わく塚コースを下る。わく塚コースは岩がごつごつとした険しい道が続き、ナイロンザイルや細いロープを使った鎖場や固定されていない脚立を使ったはしご場などヒヤヒヤする場面が連続する。道中、上わく塚、中わく塚、下わく塚と呼ばれる展望所にそれぞれ立ち寄る。展望所からの眺めは、眼下に見える多くの巨岩のためか凄まじい高度感があり、筆者が高所恐怖症になりかける。さらに下り続け、15:30に無事に大崩山荘に到着する。休憩した後、その日の晩の焚火のために再び薪を集める。薪を集め終えたころ、二人組のパーティーが山荘にやってくる。迷惑にならないように、焚火は外にあった焚火の跡でやることにする。その後、晩飯までの時間で予定を練り、翌日は早々に下山して岡村くんを熊本まで送るついでに阿蘇で温泉に入ることにする。晩飯を取り、18:00から就寝まで焚火を囲んで過ごす。


6日 大崩山荘(7:00)〜登山口(7:40)

 7時に起床し下山する。7:40に登山口に到着する。準備を整えて8:00に熊本に向けて出発する。11:00に阿蘇に到着し、温泉に入る。入浴後、野瀬さんおすすめのソフトクリーム屋に寄ってから熊本を目指して12:20に出発する。13:30に熊本に到着する。熊本城のそばの観光客向けの施設で昼食をとる。その後、岡村くんを自宅付近まで送り届け、15:00に熊本を後にする。16:40に福岡に到着、睡魔と闘いながら運転しきった野瀬さんにエールを。箱崎にて装備を返却して無事に合宿を終える。


○総評

 大崩山は体力だけでなく歩行技術や読図力など、総合的な登山能力が必要な山であると感じた。特に、読図の面については道がとても分かりづらいので高い水準が必要だろう。もしも予定を短縮し、サブ行動にしていなかったら遭難の可能性もあったかもしれない。しかしながら、巨岩と木々が織りなす幻想的な風景や澄んだ沢の流れ、展望所からの雄大な眺めは険しい道を越えて見に行くだけの価値があると断言できる。多くの反省点や素晴らしい景色、山荘での穏やかな時間など実りの多い合宿であった。次に行くパーティーは、歩行訓練と読図訓練をしっかりと積んでから、思う存分にこの山の魅力を味わってほしい。


○写真(左上:焚火、左下:上わく塚からの眺め、右上:祝子川の流れ、右下:わく塚の外観)